Secret GardenⅡ

アンティークや可愛いもの、そして奈良とつよしくんが大好きです。

絵本 ちいさな木ぼりのおひゃくしょうさん

今日は帰宅したら、色々なお届け物が。

奈良のnecocoさんからはにゃんにゃんにゃん!の日に購入した猫雑貨セットが、同じく奈良の小さなホテル奈良倶楽部さんからは私の大好きなフリー冊子「祈りの回廊」春夏号が、そしてMちゃんからは可愛いムーミングッズが届きました(嬉しい♪)

今週も色々仕事が立て込んでるけど、これで頑張れます!

皆さま、ありがとうございます。

 さて、Mistletoeさんから絵本紹介を楽しみにしている方も多いのでは、とあったので、調子に乗って(笑)またご紹介します。

前回紹介した「しもかわら ゆみ」さんの絵本もあと3冊あるのですが、それはまた今度にして、今日はこちら「ちいさな木ぼりのおひゃくしょうさん」をご紹介。

ちいさな木ぼりのおひゃくしょうさん

ちいさな木ぼりのおひゃくしょうさん

 

 例によって、週末オーガニックマーケットで楓文庫さんから購入しました。

こちらは古書コーナーのボックスの中にあったものをごそごそとやって発掘。

表紙を見た瞬間、東欧のタペストリーの絵柄みたい、と。

で、奥付の作者紹介を読むと、絵を担当されているアニタ・ローベルさんは芸術学校卒業後、しばらく織物デザイナーとして働いていたとあり、なるほど、と納得しました。

とにかく、1枚1枚が額装にして飾っておきたいぐらい緻密で素敵なんです。

大抵のページが本文のイラストを囲むように花の飾り絵↓が配置されてるんですけど、それがもう織物のテキスタイルのよう。

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東欧の春という感じで、この絵柄だけでいつまでも眺めていられますよ。

この夫婦の衣装も伝統的なチロル衣装で可愛らしい♪

ただ、なぜ木彫りなのか、というのが本文では一切明かされていないので、不思議なタイトルですが、思うにこの夫婦、リアルな人ではなく、文字通り木彫りの人形なのかな、と。

ストーリーは、この夫婦が毎日家の前の川を通る船の船長に一緒に暮らす動物を連れてきてもらいうようにお願いする、というもの。

家の横には納屋が、納屋の側にはブタの家が、納屋の前には羊を飼うのにちょうど良い場所が、そして、家の庭には犬の家があるのに、そこに暮らす動物はいないというテキストから、やはりこれはドールハウスをモチーフにしたお話ではないかと思われます。

家のそれぞれの場所に見合った動物たちを見つけて連れてくるようにお願いされた船長さんは、快くそれを引き受けます。

そして、至る所で、誰にも飼われていない夫婦の要望にぴったりの動物を見つけては、すんなりと動物たちを船に乗せるという、いささか淡々と、あるいはものすごく都合良くストーリーは進んでいきます。

お話としては特にドラマティックなことが起こるわけでもなく、ホントにすんなりと次々目当ての動物が見つかるだけなので、子どもにはあまり受けなさそうなお話なのがちと残念ですが(^_^;)、やはりこの絵本の魅力は細部まで細かく描かれたこの絵にあると思うので、絵画的に鑑賞することがお好きな方にはとても楽しめると思います。

 

ちょっと深いなと思ったのは、木彫りのお百姓さんというタイトルの意味は前述したとおり全く明かされないのですが、最後の文章を読むとこれはやっぱりドールハウスの人形を擬人化したストーリーだと受け取れることです。

思い描いていた動物たちが手に入りとても幸せな夫婦ですが、その中でも最後に上げられているのが猫。

この猫は家畜としての動物ではなく、夫婦の側に寄り添ってくれる動物として描かれているんですね。

ちなみに、最初このストーリーを読んで、終盤にさしかかったとき、私はこの夫婦が今とても幸せなのは最後に子どもが生まれたからなのかと思ったのですが、猫というオチだったので、あ、やっぱりリアル人間の話ではないんだな、と。

一見淡々としたストーリーの中に、ドールハウスの人形を通して理想の家庭像を投影しているとも取れるので、これはやはり大人向けの絵本かなー。

とにかく、この絵柄だけでも鑑賞する価値大ですよ!

この絵本、手元に置いておきやすいサイズなのはありがたいのですが、本音を言えば細部までじっくり見たいので、大型絵本で出して欲しかった!

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東欧つながりということで、Misin Oilさんでゲットしてきたホフロマ塗りのリス柄小物入れと一緒に撮影してみました。

どちらも素晴らしい芸術品の域。