Secret GardenⅡ

アンティークや可愛いもの、そして奈良とつよしくんが大好きです。

Girl

古くからの友人ほし*に勧められて読んだ奥田英朗さんの『ガール』について、今日は書こうと思います。

ガール

ガール

文庫裏解説は次の通り。

わたし、まだオッケーかな。
ガールでいることを、そろそろやめたほうがいいのかな。
滝川由紀子、32歳。
仕事も順調、おしゃれも楽しい。
でも、ふとした時に、ブルーになっちゃう(表題作)。
ほか、働く女子の気持ちをありえないほど描き込み、話題騒然となった短編集。
あなたと彼女のことがよくわかります。

と、まあ、端的にいうと、アラサーからアラフォーの第一線で働く女性たちが、職場でのトラブルに悩みながら、最後はそれに打ち勝っていく、というような話です。
5つの短編でそれぞれ違った女性が主人公なのですが、彼女たちはそれぞれ酸いも甘いもかみ分け、それなりの経験をしてきた女性であり、と、同時に、怖いもの知らずで、女性として向かうところ敵なしな常勝人生の20代にはもはや戻れない、ということを痛いほど自覚している女性たちでもあります。

日々女性としてのステータスは失われ、ガールじゃなくなることに怯えつつ、それでもなんとか足掻いて生きていこう、という姿は同年代の女性として大いに共感するべきところなんでしょうが、どうも私にはちょっと痛かったりも。(^_^;)
いや、なんかね、身につまされるんですよね。
コレを読んで、私も頑張ろうって思えるほどには私はピュアじゃないんだろうなーと。

滝川由紀子の上司で『お光』というのが出てくるんですが、その『お光』は38歳にして20代だらけのスノボ同好会合宿に参加するだけでもすごいのに、ファッションが奥様は魔女を地で行くようなキッチュな格好なんですね。
もちろん、周りは密かに引いてるんですけど、本人はぜーんぜん気にしない。
むしろ、由紀子の方がホントにそれでいいんですか?って葛藤しちゃうぐらい。
で、最終的には由紀子も『お光』の突き抜けた感じもありだよね、ってとこに落ち着いちゃうんですが、どうも私的にはやっぱりないだろ、それはって思っちゃうんですよ。

精神的にGirl、あるいは女子であることに年齢制限はないとは思いますが、外見はやっぱりある程度年相応であるべきじゃないのか、と思う辺り、意外に私もコンサバなんですかね。
ま、そういう私が十分外見的には年不相応らしいのですが。(^_^;)
ただ、好きなモノと似合うモノとの線引きというのは、この年になってくるとやっぱり必要じゃないか、という気はします。
可愛くてガーリィなモノは小物に留めるぐらいがきっとちょうどなんでしょう。

それに、本当のGirlというのは、外見がどうのこうのというより、精神の若さかな、と思いますね。
精神が若々しい人って、やっぱり外見も自然とそうなる人が多いような…

ちなみに、外国語に携わる仕事に付いている人は年齢より若く見える人が多い、とかの村上春樹氏が述べていました。
外国語を通じて色んな文化に触れたりすることで、感性が刺激されるからではないか、というようなことを書いてるんですが、なるほどね、と。
好奇心旺盛であること、違う文化もたやすく受け入れられる柔軟性、そういうものも若さに繋がるのかもしれないですね。

と、なんだかまとまらなくなってきましたが、『ガール』自体はどの短編も読後感のよいお話ばかりですよ。
男性作家の視点から描いたとは思えない、等身大の女性の日常は、あー、こういうことってあるよね、と共感することしきりで、一体この作者さんはどうやってここまでリサーチしたのかしら、と不思議になるぐらい。
表題作の『ガール』以外に、私は『マンション』という短編が好き。
というか、身近にいたんですね、妙齢の独身女性で、マンション購入に踏み切った人が。
なるほど、こういう心理が働いて購入したのかーとものすごーく腑に落ちたのでした。

今日の紙モノ

BERNさんから届いたヴィンテージの小鳥コースター。
レトロな柄がキュートです。
コースターとして使ってもいいけど、紐を通してオーナメントにしてもいいかもね。