Secret GardenⅡ

アンティークや可愛いもの、そして奈良とつよしくんが大好きです。

植物図鑑

先日、ちらりと書きました『植物図鑑』by 有川浩さんを読了しました。
毎日、10分単位ぐらいで細切れに読んでたんですけど、途中でそれじゃ我慢できなくなってしまい、本日帰宅後一気に最後までだぁーっと読んじゃいましたよ。
つまりはそれぐらいハマってしまったという。
なんか、ちょっと悔しい。(^_^;なんでだ?)

いや、恋愛モノとしては王道っちゃ王道なストーリー、多分、きっと着地点はそこに落ち着くのよね、って容易に想像もついちゃうんですけど、そんなところを差し引いても読まずにはいられない、みたいな。

表向きのコンセプトは「女の子の旅と冒険」だそうで、それがこの作者さんの手にかかると、道草でそれまで知らなかった世界を知る、ということになるんですね。

そして、裏コンセプトはまたまたこの作者さんの言葉を借りるなら、「リアル女の子落ち物ヴァージョン」と。
要するに、「天空の城ラピュタ」の女の子ヴァージョンですわ。

―男の子の前に美少女が落ちてくるなら女の子の前にイケメンが落ちてきて何が悪い!

いや、ごもっともです。

そんなわけで、この2つのコンセプトを作者流に料った(作中度々出てくるこの言い回しが作者と同県人の私としては妙にツボでした)ストーリーをかいつまんで説明すると、ずっと街の女の子だった主人公「さやか」が、凍えるような冬の夜に拾った自称「噛みません。躾の出来た良い子です」な行き倒れ青年「樹(いつき)」によって、それまでまったく気にも留めていなかった道端に生えている野草に魅せられていくというのが、メインの筋立て。

で、そこにお約束のように「さやか」と「いつき」の恋物語が絡んでくるわけです。
その辺りの展開というか描写は、私がちらりと読んだ他の方のレビューにも「甘い。甘すぎる!砂を吐きそうに甘い!!」ってな意見がありましたが、確かに私も読んでて背筋がむずむずする感は否めませんでしたよ。(^_^;)
作者自身が、臆面もなく甘ったるくなりすぎていて、過去最強に恥ずかしかったってあとがきに記してるぐらいですもんねぇ。
ま、それはそれとして、ほんわか癒し系の可愛いカップルではあります。

なにより、「いつき」青年のオールマイティーハウスキーパーぶりを見るにつけ、そういう優良物件なら私も積極的に拾いたいものだ、と。(笑)

しかし、この物語の最大の読みどころは「雑草という名の草はない。全ての草には名前がある」という昭和天皇のお言葉を度々引き合いに出しながら「いつき」の口から紹介される野草の魅力でしょう。
この物語を読んでる間中、私はずっと「いつき」の作る野草を使った料理が食べたくて仕方なかったですわ。
ツクシ、フキノトウ、フキ、セイヨウカラシナ、ノビル、タンポポ、野イチゴ、スベリヒユユキノシタ、クレソン、ヨモギ、と実に色々な野草が出てくるんですけど、そんな食べ方があったのねー!という目から鱗な料理法が満載です。
巻末には「イツキ」の道草レシピまで付いている、ある意味抜かりなし!な1冊になってますよ。
ユキノシタとか普通に庭にあるんですけど、てんぷらにして食べたら美味しいんですって。
今度試してみようかしら?
野イチゴのジャムもこれ読んでたら無性に作りたくなってきたー!!

普段なんとなく見過ごしていた道端のあの草にも、美味しく食べれるものがあるって、この本を読むと気付くかもしれませんよ。

今日のお花

一重の可愛いミニバラです。
名前はちょっと忘れてしまったです。(^_^;)
野ばらっぽい雰囲気がありますよね。

今日のカード

ぷくぷくほっぺが可愛いクマちゃん。
お手紙を手に嬉しそうです。