絵本 しろくまきょうだいのおべんとうやさん
昨日に引き続き、しろくま兄弟のポールとノエルのお話をご紹介しますね。
今回はお弁当屋さんです。
お天気がいいのでお弁当を作るぞ、とお兄ちゃんのポール。
町に出店すると、弟のノエルが「パンにご飯、お肉にお魚、何でも美味しいシロクマ兄弟のお弁当だよ」と呼び込みます。
その呼び込みに誘われて、今回も動物のお客さんが次々にやって来ます。
最初のお客様のネズミには色々チーズとハムのネズミさんサンドイッチ。
野菜と果物が食べたいというレッサーパンダにはまるごとリンゴゼリーと野菜のレッサーパンダさんサラダ。
お魚を食べたいペリカンにはサーモンでとイカのペリカンさんちらしずし。
サーモンを薔薇の花にしたちらし寿司を見て、美しい私にぴったりとペリカンもご満悦。
お肉を食べたいライオンには厚切りベーコンとお肉のライオンさんバーガー。
ケーキの時にもそれぞれの動物の特徴を捉えたケーキが出てきましたが、今回のお弁当もまあ本当にそれぞれの動物のイメージにぴったり。
そのどれもがもちろんとても美味しそう。
そして、今回の一悶着はブタのお客さんがたくさんやって来たときに起こります。
てんてこまいのポールにお手伝いを買って出るノエルですが、「まだ小さいからだめ」と断られ、「僕にもできるもん!」とムキになったノエルは大量のごはんをまき散らしてしまいます。
「ぼく、ぼく・・・やっちゃった~~~」とまたも大泣きするノエル。
慰めても泣き止まないノエルに、ポールが考えたメニューとは?
今回もお兄ちゃんの優しさと機転が光る結末となっています。
帯には「食べることが好きになる!可愛い兄弟愛にほっこり♡」とありますが、まさにその通り。
弟の失敗も優しくカバーしてくれるお兄ちゃんの姿に、兄弟としてのあり方も学ぶことが出来るのではないでしょうか。
何より、これを見ると自分でもお弁当を作ってみたい、となること間違いなし。
そうなったら次に読んで頂きたいのは、こちらも楓文庫さんで紹介されていた高山なおみさんの写真絵本「おにぎりをつくる」と「みそしるをつくる」。
おにぎりはシンプルな塩むすび、お味噌汁はお豆腐とお揚げのみとこちらも至ってシンプル。
初めて子どもが作ることを想定してのメニューなんだそう。
「お味噌汁とか思わずおネギを彩りに足したくなりますけどね」と楓文庫さんがおっしゃっていましたが、それはやっぱり大人の視点なんですよね。
極力工程を省いて、小さな子どもも作れることにこだわりつつ、基本をしっかり学べるので、初めてお料理する子どもにぴったりの本です。
AIが発展すると、やがて手作りの食事も廃れていくのかなとか考えることがあるんですが、やっぱり人の手によってできる食事に勝る物はないと思うので、これから先の子どもたちにも料理はできるようになってほしいなー。
料理好きの子どもを増やすにも、絵本は一役買ってくれそうですね。