Secret GardenⅡ

アンティークや可愛いもの、そして奈良とつよしくんが大好きです。

冬薔薇

この厳冬期にも関わらず、庭の薔薇が健気に咲いています。

その姿を見ていると思い出す言葉が「冬薔薇」(ふゆそうび)。
私がこの言葉を知ったのは、片山愁さんという漫画家さんの作品から。
知ってる人いるかな?
WINGSとか(ちょっとレアっていうか、コアな雑誌だよね^_^;)で描いてました。
有名なのでは『ドラゴンフィスト』とか『学園便利屋シリーズ』がありますが。
『ドラゴン・フィスト』↓はOAV化もされたので、知ってる人は知ってるかも?

ドラゴン・フィスト (14) (ウィングス・コミックス)

ドラゴン・フィスト (14) (ウィングス・コミックス)

上にあげた二つの漫画も好きなのですが、今日は年末本棚の整理をしていてつい読み返して、読みふけってしまった短編集の方をご紹介。
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あとがきの日付が1993年なので、読んでね、とは言えないのが辛いところです。

表題作『君といた夏』はタイトル通り夏のお話なので、冬薔薇は出てきません。
が、傑作です。
泣けます。
そして、私の好きな長野まゆみさんの作品を漫画化したらきっとこうなるであろうという要素がたっぷりと詰まっています。
『夜啼く鳥は夢を見た』に近い世界観かな。

そして、残り2編。
『東京浪漫細工』、『東京浪漫細工2 月光憧憬(るなてぃしずむ)』は大正時代を舞台に幽玄な世界観を描いた不思議な物語です。
その『月光憧憬』の方にこの言葉が出てくるんですね。
胸を患って療養所に入っている母の見舞いに訪れた主人公の片瀬という青年が、病み衰えてすっかり様変わりしたに違いないという母に向かって、「あなたは今でも冬薔薇の様に綺麗ですよ」と。
この母の顔は一切描かれていないのですが、この言葉でいかにこの人が美しい人であるのか、というのが良く分かる言葉です。
言葉自体がとても美しいですよね、冬薔薇(ふゆそうび)って。

あまりに美しすぎて、物語では『冴』という不思議な少年によって、彼の母親の命という小夜鳴鳥(ナイチンゲール)は連れて行かれるのですが。

冬薔薇を見ると、この言葉遊びのような不思議で妖しくも美しい世界を思い出すのでした。

今日のカード

ウインクしているウサちゃんがキュートなカードは今年最初にツネットさんより届いたものです。
いつもありがとうございます、ツネットさん。
今年もお世話になります。