Secret GardenⅡ

アンティークや可愛いもの、そして奈良とつよしくんが大好きです。

アリアドネの弾丸

あまり読書する時間がありませんが、合間合間にちまちまっと読んでます。
で、最近読了したのが海堂尊の『アリアドネの弾丸』。

アリアドネの弾丸

アリアドネの弾丸

実は、私海堂さんの本を読むのは『チーム・バチスタの栄光』以来。
チーム・バチスタの栄光

チーム・バチスタの栄光

あ、あれ?と思った方、そうです、これシリーズ物なので本来ならこういう読み方をしちゃいけないんですよね。
通称、田口・白鳥コンビシリーズと言われるこの一連の作品で、『チーム・バチスタの栄光』は第1作目、そして、『アリアドネの弾丸』は最終巻の1冊前の話なんです。
どうりで、読んでて唐突に当たり前のように出てくる登場人物の数々が理解できなかったわけですが。
ま、それは差っぴいても、本書単独でも面白くは読みました。
多少のストレスが溜まった感は、やっぱりそれ以外のシリーズ本を読んでないからなので、そこはおいおい補って行きたいな、と思いますが。

読了した感想は面白かった!です。
なんかねー、久々に活字がちゃんと詰まった本を読んだ気がします。
この前に読んだのが『ビブリア』なので、まあそれと比べると(比べるのもどうかと思いますが)活字びっしり!で専門用語飛び交いまくりの一筋縄ではいかないストーリーに、心して読まないと、んん?となってしまい、また元に戻って読み返す羽目になるのですが。
そうやって行きつ戻りつしてるうちに、徐々にストーリーが頭に入ってきて、難解なストーリーが逆に快感に感じられるようになる、という。(笑)

私、この人の文体、結構好きかもしれない。
著者は現役の医学博士なので、なんか高度な次元で語られてる感も無きにしも非ずですが、白鳥をはじめとする一癖も二癖もあるキャラたちのロジカルでアイロニックな語りっぷりは読んでて、すごいわくわく感があります。

殺人事件の謎解きも、現役の医学博士らしいものですね。
ただ、数式上は成り立っても、実際にはどうだろう?って気はしますが。
ま、そこは言わぬが花ですかね。

あと、今回田口&白鳥コンビの前に立ちはだかる敵の宇佐見警視の方言が、幕末辺りの土○弁って感じですが、今じゃだれもそんな言い回ししないよー、と結構な違和感がありました。
大体、自分のこと指して「ウラ」とか聞いたことないし、「〜ぜよ」ももう死語だよー。
宇佐見=人斬り以蔵ってイメージだったのかしらん?


それはともかく、本書の中で意味ありげに出てくる碧翠院桜宮病院の生き残りである桜宮小百合や白鳥と互角に渡り合うスカラムーシュ彦根など、知りたいキャラがいっぱいいるので、このほかのも順次読んでみたいな。