Secret GardenⅡ

アンティークや可愛いもの、そして奈良とつよしくんが大好きです。

ビブリア古書堂の事件手帖4

今日でドラマ版の方は最終回ですね。
って、何気にドラマも見てるのかって突っ込みがきそうですが、そんな見てないです。(あっさり)
初回とあとちょびっと細切れに見たぐらいで、なんかもういいや、と。(辛口)
すみません、剛力ちゃんに恨み(?)はないけど、やっぱり栞子さんではないんだよなあ。
剛力版の栞子さんはロングヘアじゃないとか、巨○じゃないとか(そこは男子じゃないのでどうでもいいが)、まあ、見てくれの相違からして受け入れられない人もいたと思いますが、私がどうもなじめなかったのは、栞子さんの性格。
原作本来の栞子さんは超がつくぐらいの人見知りなのに、一旦本が絡むとものすごい饒舌&洞察力を発揮するという思いっきり二面性のある人物として描かれてるんですけど、ドラマでは淡々と推理する人でしかないので、面白みに欠けるんですよね。
五浦君との関係も見どころの一つなのに、栞子さんが淡々とした探偵役だから、AKIRA演じる五浦君とも何の進展もしない、という。
なら、謎解きミステリーに徹すりゃいいじゃないかと思うのですが、映像化するには本がメインの謎解きってやっぱり地味なんですよねぇ。
で、私なりの結論としてはビブリアは実写化には向きません、ってことで。
漫画化は全然ありだと思うけど。

と、ドラマに対する突っ込みはこの辺りにして、原作の第4巻が先月末発売になりましたねー。
(先月発売なのに、ドラマの最終回もこの話なのね。危うく原作読む前にネタバレになるところだったよ。)

原作は4巻目にして初の長編です。
今までは4つの短編で1つの物語だったので、最初んん?と思ったのですが、読み終わってみたら、むしろこっちの方が読みごたえがあって良かったです。
最初から最後までずーっと展開が気になって、ものすごい集中して読んでしまったわ。
題材も万人受けする乱歩。
日本の推理小説の礎を築いた人ですが、21世紀になっても、おそらく誰もが一度は学校の図書室なんかで目にしたことはあるはず。
古典になったことで、返ってあの古さが今読むと目新しいというか、これからもずっと少年少女のための本棚には常備されそうですよね。
かくいう私も、怪人20面相シリーズとか一通り読んだわー。
ドイル(ホームズ)→アガサ(ポアロ&ミス マープル)→乱歩(怪人20面相)という変遷をたどったような。
(あ、間にルパンとかも挟まりましたが。)

同じように、幼少期に乱歩にハマった人物がこの物語の謎にかかわってくるので、そういう意味でも感情移入しやすく読めました。
その謎解きの過程で、ついに栞子さん母との直接対決(?)もあったりして、物語自体が一気に動いたな、という感じ。
栞子さん母は栞子さんを上回る推理力の持ち主であり、価値ある古書を手に入れるためにははどんな卑劣な手段も厭わない人物として描かれていますが、この人の姿が見え隠れすることにより、栞子さんの危うさが浮き彫りになったり、お母さんと同じ世界に行かないためのストッパーとして五浦君の存在が生きてくるんだな、と思います。
栞子さんから見たらお母さんは悪しき存在なんですけども、読者から見たら、栞子さん以上に多面性がある底の見えない興味深い人物なんですよね。
完全なる悪かといえば、どうもそうでもない気がするし。
作者曰く、原作もそろそろ終盤に差し掛かったということで、おそらく後2冊ぐらいで完結するのでは、という感じですが、お母さんが今後どう出てくるかが非常に楽しみです。
何もかも和解して大団円ってな展開にはなりそうもないけど(むしろそんなことになったら興ざめ)、二人の関係に作者がどういう結末を用意するのか、その収束の仕方に興味がありますね。
初デートにこぎつけた五浦君と栞子さんの関係がどのように進展するのか(するのか?)とかもね。

今回の物語では、栞子さんと相性が悪かったヒトリ書房店主の過去やヒトリ書房という名前の由来なんかも明かされて、細かいところまで色々伏線が張られてるのも良かったです。

ところで、国民的認知度の乱歩をここで出してしまったら、次なる題材は誰を取り上げるんでしょうねぇ。
そういう意味でもまだまだ目が離せないのでした。