Secret GardenⅡ

アンティークや可愛いもの、そして奈良とつよしくんが大好きです。

ビブリア古書堂の事件手帖

年末年始はおうちにおこもりして、身体のメンテナンス&読書三昧でした。
:kkoma:さんからアリスの素敵な文庫カバーを頂いたので、文庫を何かゲットしようと考えた結果、選んだのは今巷で何かと話題のこちらのシリーズ↓。

ラノベ界の新たな旗手とでも言いましょうか、文庫で初めて本屋大賞にノミネートされた作品です。
そうか、文庫本で本屋大賞ノミネートは今までなかったのか、とむしろそっちが何やら意外な感じがしましたが。
本屋さんが選ぶ賞と言えども、なんとなく賞と名の付くものは新書版じゃないといけないような、思い込みみたいなのがあったんでしょうかね。
別に文庫本にも傑作はいっぱいあると思うんですけどー。

ま、それはさておき、なぜこれに手を出したかというと、ある意味CDと同じジャケ買いと言いますか。
ちょっとアンニュイな主人公のイラストとビブリアという耳慣れない単語、そして、古書を扱うミステリーの3つのキーワードが気になったんですよねー。
で、とりあえず、第1巻だけ帰省する日に買って、帰省後読んだらハマってしまい、大晦日に買いだしに出かけたついでに続巻2冊も買ってきて、そのまま読了、という。
こんなにハイペースに読書したのって、トワイライト・シリーズ↓以来かもー。

トワイライト 上 (ヴィレッジブックス)

トワイライト 上 (ヴィレッジブックス)


これをミステリと位置づけることについては賛否両論あるとは思いますが、私は面白く読みました。
殺人事件なんて出てこず、古書にまつわる日常のミステリを解いていくのは、女探偵(ってか、本業はビブリア古書堂店主ね)の、篠川栞子(しのかわしおりこ)さん。
第1巻ではとある事情により足を骨折して入院中のため、安楽探偵として持ち込まれる謎を解いていきます。
その彼女の助手役が本書の語り手である五浦大輔(ごうらだいすけ)くん。
最初の事件は、彼の祖母が残した漱石全集をビブリア古書堂に持ち込んだことから始まります。
そして、その事件解決後、就職浪人中だった大輔君はビブリア古書堂でアルバイトとして働くことに。
極端な人見知りであり、足を痛めている栞子さんの助手役ということで、大柄な身体に柔道の有段者という経歴なんですよね、この人。
そして、本の虫で、本について語りだしたら止まらない栞子さんの相手役が務まるように、大輔君の方は幼い頃のある出来事によるトラウマで本が読みたくても読めない体質という設定になっている辺りが、キャラクター造詣についてよく考えられていると思います。

短編4つで1冊の構成ながら、4つの事件は最終的に栞子さんを巡るある事件に収斂して行くところも、ミステリとしてはそれなりに及第点を付けられるかな、と。

何より、栞子さんというキャラクターが見た目の儚くて弱そうな雰囲気と違い、恐ろしく頭が切れて、本のためなら手段を厭わない、という結構曲者的な要素がある部分も面白く読ませる要因ですね。
栞子さんの抱える秘密が何なのか気になって、読者は次巻に手を出さずにいられない、という。(この辺り作者の思惑通りかと。笑)
もちろん、栞子さんと大輔君(栞子さんの方が若干年上らしい)の微妙な関係の進展具合も気になるし。
どっかのレビューでもあったんですけど、この二人、『めぞ○一刻』の響子さんと五代さんの関係を髣髴とさせるんですよねー。
天然小悪魔な栞子さんになんとなく報われない大輔君、みたいな。
そんな気になる次巻は2月22日発売だとか。
ほどなく続きが読める、というのはにわかファンには嬉しい限りです。

ネット上で大炎上だったらしい(弟談)ドラマ版は1月14日スタートですね。
別に、剛○彩○ちゃん嫌いじゃないけど、原作を先に読んじゃった者の感想としては、栞子さんのイメージとは、ほど遠い感は否めません。
ま、原作があるものの映像化って往々にしてそういうものよね。
と、割り切って見るのがよろしいかと。
例えて言うなら、ドラマ版は原作のパラレルワールドですよ。