神様のカルテ3
今日はイレギュラーなお休みでした。
というのも、この週末までガッツリ仕事なので。
滅多にない平日休みに、本当なら『踊る大捜査線 the Final』を見に行こうと思ってたんですが、絶賛疲労中で、結局出かけることが出来ませんでした。(あーあ。´・ω・`)
冷蔵庫が空っぽだったため、かろうじて夕方一念発起して家から出たものの、己の弱りっぷりを自覚して早々に帰ってきてしまいましたわ。
こんなんで日曜日まで持つのだろうか、私。^^;
無敵の体力が欲しいぞ。
ってことで、日常的には特筆すべきことがないものですから、ここ最近読んだ本についての覚書です、今日は。
8月の終わりぐらいに買って、毎日お風呂でちまちまと読んで、やっと読了した『神様のカルテ3』。
- 作者: 夏川草介
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/08/08
- メディア: 単行本
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なんかねー、毎回素直に感動しちゃうし、いっぱい大事にしたい言葉があるなぁと思う。
今回はオビの言葉から衝撃でした。
「医者をなめてるんじゃない?自己満足で患者のそばにいるなんて、信じられない偽善者よ」
すごく痛烈な一言ですよね、これって。
こういう科白を吐ける小幡先生(今回、本庄病院内科にやってきた女医)ってどういう人なんだろ?っていう興味がずーっと読んでる間ありました。
この人の登場によって、主人公の一止は医者としての有り様を根底から覆されるわけですが。
シリーズ1,2を通して、私たち読者はいつでも患者に寄り添おうとする一止の姿に清々しさやほっこりする暖かさを感じていたのに、その一止の有り様は小幡先生の目を通してみると、単なる偽善者タイプの医者であり無知であることをまったく自覚していないタチの悪い医者でしかない、という。
このカタルシスっていうのは、一止同様私にとってもすごい衝撃でしたね。
でも、「医者っていう仕事はね、無知であることがすなわち悪なの。私はそういう覚悟で医者をやってるのよ」と、医者という仕事を厳格に規定してみせた小幡先生によって、一止はそれまでの価値観を壊されながら、そこから、新たな価値観を見出していくんですよね。
医者としての知識と信念では遠く小幡先生に及ばないことを痛感するも、良心と哲学の分野では自分に分があると語り、「医者は総合力ですから」との結論に至る一止。
その総合力で小幡先生に追いつくために、一止が出した結論というのは、シリーズを通して読んできた者にとっては一抹の寂しさもあるのですが、一止の医師としての成長物語として捉えるならば、それはこれしかない、というぐらいの説得力ある結論で、改めてこの作者の非凡さというのも感じました。
小幡先生という目指すべきはっきりとした指標を得た一止が今後どういう風に成長していくのか、次作も非常に楽しみです。
そして、今回個人的に私、小幡先生という人がすごく好きになりました。
というか、自分の仕事に対する姿勢も考えさせられたというか。
現状に甘んじず、常に自分の仕事に必要な知識を更新することにもっと貪欲にならなくてはと思いましたね。