Secret GardenⅡ

アンティークや可愛いもの、そして奈良とつよしくんが大好きです。

Nursary Rhymes

私はいろんな国の人と仕事する機会があるんですが、外国人と一緒に仕事をするようになって、どんなに英語を勉強したとしても、絶対に叶わないなーと思うことが実はひとつあります。
それはリズム感。
絶対的にリズム感が私たち日本人とは違うんです。
どうやったらそんなにテンポよく、あるいはリズムに乗って話せるの?と。


日本人は同じトーンでたらたらしゃべるイメージがありますが、総じて私が一緒に仕事をした外国人たちはみんな言葉にリズムがありました。
今一緒に働いているK氏も、手でリズムを刻みながら話してる、ということがよーくあります。
リズムやテンポがいいと、ついつい話しに引き込まれちゃうんです。
でも、これってマネしようと思っても中々できるものじゃありませんよねー。
子どもの頃からの環境が全然違うんですね、きっと。
英語圏の子どもたちは、文字を覚える前に、Nursary Rhymesを通して英語独特のリズム感や韻を踏む楽しさを覚えるんだそう。


Nursary RhymesとはMother Gooseのことです。
日本では英語圏の伝統童謡をそう呼んでいますが、実はMother Goose発祥の地であるイギリスではNursary Rhymesと呼ばれるのが一般的なんですよ。

そして、Nursary Rhymesとは『幼児向けの押韻詩』という意味です。
韻を踏むことを前提としているため、Nursary Rhymesの中には、ナンセンスな詩がたくさんあります。
このナンセンスなところが日本人にはとっつきづらくもあるんですが。
日本語版を読むと、なんで???と頭の中に?マークが何個も付きそうな詩がたくさんありますし。


でも、辻褄の合わないことにいちいち頭を捻るんじゃなくて、口から出るリズム、あるいは聞こえてくる音の世界に浸ると面白いですよ。
私も学生の頃ハマってましたし。


例えば皆さんも良く知っているHumpty Dumptyの出だしの2行を見てみましょう。

Humpty Dumpty sat on a wall,
Humpty Dumpty had a great fall.

ラストのwallとfallがこの場合韻を踏んでいます。
語尾が揃うとなんとなーく気持ちよくないですか?
もちろん、Humpty Dumptyという不思議な名前も韻を踏んでるんですけど。


ところが、これを日本語に訳してしまうと、


ハンプティ・ダンプティが塀に座っていた
ハンプティ・ダンプティがどすんと塀から落っこちた


という、なんとも意味不明、それがどうした?という味気ない詩になってしまうわけで。(^_^;)

童心に返って、リズムに乗って口ずさむと、英語らしいリズム感を私も身に付けられる、のかな!?


今日の絵本
Nursary Rhymesに親しめる本をご紹介。

ご存知Peter Rabbitの挿絵にNursary Rhymesが付いてます。
もちろん全部英語ですが、意味は良く分からなくても、こことここが韻を踏んでる、と見つけるだけで楽しいですよ。

こちらも洋書です。
しかも総ページ数500ページという分厚さ。
Nursary Rhymesに限らず、子どものための物語が1冊に編集されてます。
この本にはKate Greenawayが挿絵を描いたNursary Rhymesも収録されているのですが、それが↓。

何の挿絵かはお分かりですよね。
Mary Had a Little Lambです。

こちらはRing-A-Ring O'Rosesの挿絵。
歌いながら輪になる遊び歌のひとつとして知られていますが、実はかつてロンドンでペストが大流行し、7万人もの人が犠牲になったときのことを歌ったものだという説もあります。
このブラックユーモアもマザーグースの魅力のひとつかもしれませんね。

件の詩をついでに載せておきますので、どの辺りがペストのことを歌った詩なのか考えてみて下さい。

Ring-a-ring o'roses
A pocket fyll of posies,
A-tishoo! A-tishoo!
We all fall down.