5月の満月便 きぼう HOPE
5月の満月便の絵本は「きぼう HOPE」。
コーリン・アーヴェリス文、セバスチャン・ペロン絵、ひさやまたいち訳で、評論社出版です。
フィンの大切な友だち、犬のコメットがある日病気になります。
獣医さんに連れていくけど、お医者さんには「しっかり面倒を見るけど、良くなるかもしれないし、悪くなるかもしれない」と言われてしまいます。
家に帰ったフィンはコメットがお気に入りだったテントに潜り込んで悲しみに暮れます。
真っ暗なテントにいると、懐中電灯を持ったパパがやって来ました。
「ぼくになにかできることある❔」とフィンが聞くと、パパは「あるよ。希望を持つことだ」と言いました。
「希望は一筋の光をくれる。辺りがどんなに暗くてもね」
そう言ってパパはフィンに懐中電灯を渡しました。
フィンは懐中電灯をつけたり消したり。
辛いときに希望を持つことは難しい。
でも、フィンはコメットのために何かしてあげたかったから、希望を持ち続けることにした。
希望を持つとそんなに気持ちが沈まないことに気づいたフィンはうんと希望を持つことにした。
でも、眠れなくて壁に写った光を見つめていると、突然窓からもっと大きな光が入ってきた。
「お月さまだ❗️」
フィンはお月さまに一番大きなお願いごとを送った。
翌朝コメットのベッドを覗くけど、そこにはお気に入りの毛布があるだけ。
コメットはどこ❔
不安を抱えながら、既望という名の明かりに一心不乱にコメットの無事を願うフィンの姿が健気です。
そして、そんな息子の悲しみに寄り添いながら、懐中電灯を使って希望を持つことを伝えるパパが素敵😊
どんなに暗くて辛い時も、明かりが見えたらホッとしますよね。
希望という目に見えないものを懐中電灯の明かりやお月様の光に見いだすことで、辛い気持ちが軽くなるということを改めて感じた絵本でした。
コロナやウクライナ情勢など、希望を持つことが難しい時代だからこそ、こんな絵本が必要とされるのかもしれませんね。