絵本 THE ENCHANTED EGG
今日はまたEasterにまつわる絵本をご紹介します。
こちらは1956年発行のTHE ENCHANTED EGG。
タイトルの意味は「魅惑の卵」ってところでしょうか。
挿絵を人気イラストレーターのエリザベス・ウェブさんが描いています。
ちなみに、エリザベス・ウェブさんは同じく人気イラストレーター、マージョリー・クーパーさんのペンネームなんだそうですよ。
私がアメリカのアンティーク絵本やカードで可愛い!となって買ってしまうものの大半がエリザベス・ウェブさん、あるいはマージョリー・クーパーさんのものなんですが、なんといっても彼女の最大の魅力は動物の可愛らしさと優しい色使い。
この絵本もご覧の通り、とても可愛らしい絵柄です。
ある日アヒルくんがデイジーの茂みの下で不思議な卵を見つけます。
コーラルピンクの卵にはキラキラしたお星さまと小さなブルーベルが描かれていて、上から下に曲がりくねった線がアイシングされています。
中には何があるのかなと不思議に思うアヒル君。
古いリンゴの木の上にある巣で春の大掃除をしていたコマドリ夫人に、「大きくて、美しい卵を見に来てよ」と声を掛けます。
それを聞いたコマドリ夫人は巣から降りて、卵の周りをぴょんぴょん飛び跳ねました。
どこから来たかわからないけど、魅惑的な卵だと思う2羽。
デイジーの下から卵を出してもっとよく見てみようとするのですが、勢いをつけすぎて転がしたものだから、卵はどんどん速度を上げ、コマのように回転していきます。
牧草地からクローバーの小道、スイカズラの垣根を超え、長い草の丘もどんどん転がっていく卵を追いかけて、よたよたとついていくアヒル君とそのあとを飛んでいくコマドリ夫人。
丘の中腹にあるキノコの下にはDinkyという名のエルフが住むとても小さな家があります。
それを超えると、深い松林に。
もしもその松林に入ってしまったら、道に迷うか、壊れるか、とにかく無事ではいられません。
その頃、エルフのDinkyは寂しく小さなロッキングチェアに揺られながら、何かとんでもなくワクワクすることが起こることを願っていました。
ちょうどその時地震かと思うような衝撃が起こりました。
卵がDinkyの家のドアにぶつかったのです。
慌てて窓辺に駆け寄って覗くと、視界一面に大きなピンクの何かが日差しを受けて輝いていました。
卵のてっぺんではキンポウゲのボンネットで自分をあおいでいるコマドリ夫人が、草の上では走りに走って顔が真っ赤になったアヒル君が伸びていました。
窓から飛び降りたDinkyが二匹に「それって空飛ぶ円盤?」と尋ねます。
「明らかに違うわね。魅惑の卵よ」とコマドリ夫人。
待ち望んでいたワクワクする出来事に歓喜して飛び跳ねるDinky。
「魅惑的ってことは要するに魔法ってこと?もしそうなら、何かするに違いない。でも、それは何?」と尋ねます。
「はっきりとはわからないんだ」とアヒル君。
「実はまったくわからないのよ」とコマドリ夫人。
ちょうどその時、フクロウひいおばあちゃんが深い松林から飛んできました。
眼鏡越しに卵を見たフクロウひいおばあちゃんは「少女の時以来だわ、こんな卵を見たのは」と言いました。
「中にはどんな絵があるのかしら」とも。
「絵だって?」とびっくりするアヒル君たち。
「魅惑的な卵の中にはいつも絵があるのよ。転がして窓を覗いてごらんなさいな」と言われて、うんしょうんしょと卵を動かすと、反対側に小さな丸い窓を見つけました。
みんなが集まって小窓をのぞき込むと、思わず歓声が上がります。
Oh, how marvelous! How simply super!と叫ぶDinky。
さて、卵の中にはどんな世界は広がっていたのでしょうか。
そして、魅惑の卵を巡る小さな冒険で彼らが手にしたものとは。
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