旅する蘭展その3 中南米編
旅する蘭展、3つ目のゾーンは中南米編です。
中南米は熱帯から温帯にかけて、カトレア属、エピデンドルム属、オンシジウム属、マスデバリア属など8,000種類以上の蘭科植物が自生しているそうです。
こちら↓はエピデンドルムの仲間。
紹介ボードにあるとおり、熱帯アメリカ中心に約1,400種が分布するそうで、名前はギリシャ語で樹木を意味するdendroと上を意味するepiが結びついて、エピデンドルムと呼ばれています。
多くが樹上に着生するとあり、本来ならもっと背の高い木に着生するのかな、と思ったり。
展示ではスペースに限りがあるので、流木の一部に着生させていますね。
アンデス山脈周辺の高地には霧と雲に覆われた森林(雲霧林)があり、多くの蘭がこのように樹上や岩に着生しているんですって。
こちらの展示でも、樹上に着生する様子をこのように再現されていました↓。
中南米の蘭はカトレア属のような華やかな種から、猿の顔に見える花のドラクラ属などユニークな花まで、様々な種が見られるとか。
南アメリカ南端のアルゼンチンやチリでは、ロゼット上に葉を展開するキクロポゴン属などの地生の蘭も見られます。
こちらがマスデバリア属の蘭ですね。
マスデバリア属は中南米に約580種分布し、その大半はアンデス山脈の高地の樹上や岩に着生しています。
がく片が基部と融合した目立つ花を付け、花色も多様です。
コロンビアに分布するマスデバリア・コッキネアは花が大型で、色彩の変異に富み、交配親として用いられているそうです。
中南米の蘭はカトレア属のような華やかなものもありつつ、野生味溢れる、生命力旺盛な蘭という感じでした。
これで旅する蘭展の3つのゾーンはご紹介し終えましたが、明日は番外編としてハワイで育種された蘭をご紹介しますね。