Full Moon Books 11月 山は知っている
昨日帰宅したら、Full Moon Booksの11月便が届いていました。
オーガニックマーケットで絵本4冊買って、更に1冊届いたわけですから、一度に5冊の絵本とご縁があった日でした(笑)
今回の絵本はリビー・ウォルデン作、リチャード・ジョーンズ絵の「山はしっている」。
イギリスの作家さんなんですね。
表紙が鹿というだけで、個人的にテンションが上がります。
物語はというと・・・
夜明けとともに、シロイワヤギが蹄の音を響かせ、ひんやりした山から吹き下ろす風にナキウサギが目を覚ます。
朝靄の中をヘラジカの親子が餌を求めて歩き、昼の森では動物たちが暖かい日差しを浴びて、のんびりと。
林では鳥たちが賑やかにさえずり、山裾の丘では、獲物を求めてうろつくグズリ、木立でじっと様子をうかがう鹿の姿が。
黄昏時になると、川縁でビーバーがダム造り。
ハイイログマは1日の終わりの冷たい空気を感じながら、水浴びし、生き物たちは寝床へと戻っていく。
そして、夜のとばりが降りると、今度は夜の生き物たちが動き出す。
我が物顔で動き回る夜の生き物たちがいる中で、ネズミは捕まらないようにそそくさと逃げていく。
クロクマの子どもたちは月明かりを浴びて遊び、ムササビは森の夜空を悠々と飛ぶ。
真珠色の光の下では、狼が夜の見回りをし、ピューマはそびえ立つ岩に座り、新しい1日が始まるのを見つめている。
という風に、1日の始まりから新しい1日へと、それぞれの動物たちの営みが落ち着いた色合いのイラストとともに語られています。
語り口調はとても静かで繊細、動物たちの息づかいまで聞こえてきそうです。
穏やかで、どこかのんびりとした動物たちの変わらぬ営みを、山がどっしりと力強く見つめているんですね。
山がそうやって動物たちを見守ってくれているから、そこに住む動物たちは穏やかに暮らせているのではないでしょうか。
ラストページのこの1節↓は、コロナ禍に直面している私たち人間にも通じるものがあると思いました。
夜が朝になるように、世界も変わっていく。
永遠に続くこともあれば、変化する物もある。
変わらないのは、生きること。
山はしっている。
自然は本来私たち人間が手を加えなければ、そのままの姿で悠久の時を生きるのに対し、私たち人間は絶えず時代の変化にさらされていて、変わって行かざるを得ない。
でも、そんな中でも変わらないのは『生きる』ということ。
だから、私たちはどんな状況にあっても、生きることを諦めてはいけないのだなということを、自然の素晴らしさとともに感じました。
気になった方は是非手に取ってみて下さいね。
動物好きな方にも喜ばれる絵本だと思います。
絵本の最後には、登場するすべての動物の紹介もあります。
こんなにたくさんの動物たちが登場してるんですね。
知らない動物もいて、思わず実物の画像を探して見比べてみました。
愛らしくデフォルメされてはいますが、実際の姿と見比べてみると、驚くほど特徴を捉えて描写されていることが分かります。
Full Moon Books、1月は冬休みでお休み、2月のお届けは再び荒井良二さんの絵本だそうです。
こちらも楽しみですね。
そして、今回のおまけはこんな素敵なミニカードセット↓でした。
レトロで愛らしい女の子のカードの中にも素敵なメッセージがたくさん。
ふとしたときに開いてみると、心がほっこりしそうです。
今月も素敵な絵本を届けて頂きありがとうございました(^^)